予防接種について

一般小児科

赤ちゃんは、母親の胎盤を通して病気に対する抵抗力(免疫)を受けて、

生後6ヵ月くらいまでは感冒(かんぼう)にかかりにくいと言われています。

しかし、6ヵ月を過ぎるころから免疫力が弱まっていくため、ウイルスや細菌の毒性を弱くしたものを体内に入れて、免疫を作るのを助けるのが予防接種の役目です。

予防接種を受けたからといって、100%病気にかからないわけではありませんが、受けることによって病気にかかりにくくなったり、

重症にならないようにすることができます。

当院における予防接種について

ワクチンの準備などの都合により基本的に予約制です。

2、3日前までにお電話にてご予約下さい。

予防接種は、休前日を除く月曜日から金曜日までの診療時間中に接種可能です。

ただし、受付は午前・午後ともに診療時間終了30分前までにお願いします。

月、火、金曜日の午後2時~午後3時は、予防接種専用の時間( 受付は午後2時半まで )です。

乳児や感冒流行期には、この時間帯での予防接種をお勧めします。

(この時間帯は、十数名しか接種できません。お早めにご予約下さい。)

また、BCG接種は、月、火、金曜日の午後2時~午後3時のみです。

主な予防接種についてのご案内

はじめに

予防接種の問診票の始めに、「予防接種と子どもの健康」を読まれたか確認しますが、よくできた小冊子です。

接種のスケジュールを立てやすくする項もあり、是非よく読んで予防接種に臨みましょう。

生後3ヵ月から1歳まで

ロタ(任意)、ヒブ(任意)、小児用肺炎球菌(任意)、三種混合(3回)、不活化ポリオ、BCG(原則的には6ヵ月未満)の接種を勧めています。

2012年11月から四種混合(三種混合+不活化ポリオ)が始まります。

B型肝炎(任意)も接種できます。

母親がB型肝炎でなければ、スケジュールが少し落ち着いてからでもよいかと思います。

1歳から

はしか(麻しん)と風しんの混合ワクチン(1期)と三種混合、不活化ポリオ、

または四種混合、小児用肺炎球菌(任意)、ヒブ(任意)の追加接種があります。

※三種混合の追加は、1期の最後の接種から1年~1年半の間に接種して下さい。

※不活化ポリオ、四種混合の追加は、2013年以降からの予定です。

3歳から

日本脳炎 (1期2回、翌年追加1回)

就学前1年間(年長になる年の4月1日から翌年3月31日まで)

はしか(麻しん)と風しんの混合ワクチン(2期)

※平成20年4月から平成25年3月まで、はしか(麻しん)・風しんの予防接種対象者が拡大され、中学校1年生と高校3年生に相当する人が対象になります。

(いずれか1回の接種で、最初にこの年齢に達した時に接種します。)

9歳以上13歳未満

日本脳炎 2期

11歳以上13歳未満

11歳以上13歳未満

二種混合ワクチン(ジフテリアと破傷風の混合ワクチン)

破傷風の予防接種の効果は約10年といわれています。

破傷風菌は土の中に生息し、けがをしたときなど感染する可能性があります。

現在患者数は少ないのですが、死亡率が40%前後あるので注意が必要です。

予防接種により未然に防いでおきましょう。

任意の予防接種について

任意の予防接種について

任意なので料金は自己負担となりますが、重大かつ感染しやすい病気の予防なので、当院では接種していただくことをおすすめしております。

接種料については、お電話にてお問い合わせ下さい。

ヒブワクチン

Hib(ヘモフィルス属インフルエンザb型菌)は、細菌性髄膜炎の主な原因菌です。

発見当初、インフルエンザの原因と誤認されたことでこの名称となっておりますが、

冬に流行するインフルエンザとは全く異なり、ヒブワクチンによりこれを予防します。

ちなみに、インフルエンザ関連脳症は、毎年約150~300人と言われていますが、

ヒブによる髄膜炎は、年間約400人が発症し、約11%が予後不良と推定されています。

生後4ヵ月から~1歳までの乳児が過半数を占めています。

2ヵ月以上7ヵ月未満は初回免疫として3回(4~8週間の間隔で)、1年後に追加免疫1回、

7ヵ月以上12ヵ月未満は初回免疫として2回(4~8週間の間隔で)、1年後に追加免疫1回、

1歳以上5歳未満は通常1回のみの接種となっております。

三種混合(DPT)ワクチンとの同時接種が可能です。

ヒブワクチンは製造工程にウシ由来の成分が使用されていますが、海外で使用開始されてから、

ワクチンが原因でTSE(伝達性海綿状脳症)にかかったという報告は現在までありません。

一応御留意下さい。

小児用肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌による化膿性髄膜炎は、年間150人前後が発症していると推定されています。

死亡率や後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)はヒブによる髄膜炎より高く、

約21%が予後不良とされています。

2ヵ月以上7ヵ月未満は初回免疫として3回(4~8週間の間隔で)、3回目から60日間以上の間隔で12~15ヵ月齢時に追加免疫1回、

7ヵ月以上12ヵ月未満は初回免疫として2回(4~8週間の間隔で)、2回目から60日間以上の間隔で12ヵ月齢時に追加免疫1回、

1歳は2回接種で初回接種後60日間以上の間隔で2回目を接種、

2歳以上9歳未満は1回接種となっております。

※5歳未満は、平成25年3月まで公費助成があります。

※三種混合ワクチンやヒブワクチンとの同時接種は可能です。(保護者の同意が必要)

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

予防接種後90%以上の抗体獲得率が認められますが、接種後罹患が少なくないとする報告もあります。

おたふくかぜの合併症には、無菌性髄膜炎(10%~1%)、難聴(0.5%~0.01%)、脳炎・脳症(0.3%~0.02%)、

思春期以降では精巣炎(25%)などがあります。

難聴は片側性で難治であり、脳炎・脳症とともに後遺症として重要であります。

みずぼうそう(水痘)

予防接種をした場合、約70%の確立でみずぼうそうにかからずに済みます。

予防接種の後、かかってしまう場合でも、水疱の消退・痂皮化が早かったり、発熱がないなど軽症で済みます。

ロタウイルスワクチン

ロタウイルスによる下痢症は、急激な嘔吐と白色水様便を頻回に排出し、

嘔吐・下痢に伴う脱水やけいれん、腎不全、脳炎・脳症などの合併症のため入院治療に至るケースがあります。

重症急性胃腸炎で入院する原因としてロタウイルスが最も多いといわれています。


<< ワクチン概要 >>

ヒトロタウイルスを弱毒化した1価弱毒性生ワクチンと、ウシ-ヒトロタウイルスのリアソータント5価生ワクチンがあります。

1価ワクチンは2回(1回目は生後6週以後、2回目は4週間以上の間隔をあけて生後24週までに完了)、

5価ワクチンは3回(1回目は生後6週以後、2回目、3回目は4週間以上の間隔をあけて生後32週までに完了)経口投与します。

接種後、腸重積症状(ぐったりする、顔色が悪い、繰り返し起きる嘔吐、血便、お腹の張り)がみられた場合は、

診察を受けるようにして下さい。

腸重積症の発症を高める可能性がある未治療の先天性消化管障害や、腸重積症の既往のある乳児、

重症複合型免疫不全を有する乳児への接種は避けて下さい。

※ 当院では誤接種を予防するために、1価ワクチンのロタリックスのみを採用しています。

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんは、発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの持続的な感染が原因となって発症します。

近年、20~40歳代の子宮頸がんは増加傾向にあります。

子宮頸がんの約70%は、HPV16、18型感染が原因とされています。

感染者には有効性が低いことから、初回性交渉前に接種することが推奨されています。

ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診によって前がん病変を早期発見することで、子宮頸がんが予防できます。

3回の接種は同じワクチンを接種することが必要とされています。

接種対象は、中学1年生(13歳相当)~高校1年生(16歳相当)の女子です。

子宮頸がん予防ワクチンには、サーバリックスとガーダシルという2つの製品があります。

標準的な接種パターンは、サーバリックスを接種する場合は、

1回目を0月として以降1、6ヵ月後に計3回上腕の三角筋部に筋肉内注射します。

ガーダシルを接種する場合は、1回目を0月として以降2、6ヵ月後に計3回上腕の三角筋部、あるいは大腿に筋肉内注射します。

副反応としては、注射部位の疼痛(83~99%)、発赤(32~88%)、及び腫脹(28~79%)などの局所反応と、

軽度の発熱(5~6%)、懈怠感などの全身反応がありますが、いずれも一過性で数日以内に軽快します。

接種直後の失神が現れることがあるので、しばらく(15~30分)観察が必要です。

※ 当院では誤接種を予防するために、ガーダシルのみを採用しています。

B型肺炎ワクチン

B型肺炎ウイルス感染には一過性感染と持続感染があります。

急性肝炎の症状は、黄疸、全身懈怠感、食思不振、悪心、嘔吐などで、多くは3ヵ月以内に治癒しますが、

0.4~1%は劇症肝炎を発症し、予後が良くありません。

一方、母子感染で新生児期に感染を受けると、ウイルスは長期にわたって肝細胞内に生存する持続感染(キャリア)となり、

肝硬変から肝がんに進展するおそれがあります。

B型肺炎ワクチンは、3回接種です。

副反応は、懈怠感や局所の痛みで、新生児・乳児についても問題はなく、一般的には重大なものは認められません。

母体がHBs抗原だけ陽性の場合でも同様に保険適応がとれるようになりました。


こんな場合は予防接種を受けることができません。

■明らかに発熱しているお子さま。

通常、37.5度以上の熱がある場合、予防接種を受けることはできません。

個人差がありますので37.5度未満でも接種できないと判断させていただく場合もあります。

■重篤な急性疾患にかかっていることが明らかなお子さま。

■その日に受ける予防接種、または予防接種に含まれる成分で、アナフィラキシーを起こしたことのあるお子さま。

■BCG接種については、予防接種や外傷などによるケロイドが認められるお子さま。

■その他、医師が不適当な状態と判断した場合。

例)感冒の病み上がりなど、発熱を認める急性疾患の回復直後は、 外見上元気に見えても抵抗力が落ちていることもあり、少し期間をあけた方がよいです。

予防接種後、しばらくは様子をみてあげて下さい。

予防接種は伝染病にかからないようにするために行うものですが、ワクチンによっては、発熱や腫れ・しこりができたり、不機嫌になる場合があります。

そのほとんどが2、3日または数日で消失しますが、接種後に高熱が出たり何か異常がある場合は早いうちに、医師の診察を受けるようにして下さい。

国立感染症研究所 予防接種スケジュール

© 2018 米田小児科医院、 all rights reserved
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう